和太鼓のミニチュアの作り方 その1

 この記事は?

 3月の下旬から6月上旬までの約3ヶ月弱、プラモデルといっしょに飾るための和太鼓のミニチュアを作ってました。

 ちゃんとした既製品はお高いし、なにより自分好みのサイズがないもので、「いい音が鳴る必要がない、外見だけを似せたレプリカ、ミニチュアならなんとか作れるだろう」という軽い気持ちで始めましたが、結果として時間も材料費もけっこうかかりました。

 自分が調べたかぎり、ネットで「和太鼓 レプリカ 自作」などで検索しても、ゼロから完成まで作り方を教えてくれるページは見つからなかったので、記憶が濃いうちに備忘録として残そうと思います。

 先に完成形をお見せすると、こういったものが出来ました。


「その1」って?

 和太鼓はたくさんの部位から構成されています。
 部品単位では代用できる既製品はなるべく使いましたが、比較的大掛かりなものでは
  • 胴(太鼓の側面)
  • 面(叩いて音を出す部分)
はそれぞれ単独の項目で記事が書けるほどの工程を経て制作しています。
 そのためひとつの和太鼓を作った工程を以下の全6回に分けてつづりました。
前置きが長くなってきたので、そろそろ始めましょう。

「胴の中身」実物の太鼓ではどう作るか

 どの項も基本的に「実物の太鼓ではどう作るか」「ミニチュアでは(筆者は)どう作ったか」の順に話を進めていきます。
 和太鼓の胴は、何十年と生きた太い木の中身をくりぬいて作ります。
 Youtubeで「和太鼓 作り方」で検索すると、巨大な丸太を巨大なチェーンソーで切削していく動画がいくつも出てきて、迫力があります。

「胴の中身」ミニチュアはどう作るか

 今回作りたいのは直径20cm程度の太鼓なので、それくらいの大きさの丸太ならがんばれば手に入りそうではありますが、チェーンソーで中身をくり抜くノウハウもチェーンソー自体もないので、実物と同じ方法は無理と判断。
 結局、先人の知恵を借りようと、Youtubeで検索して新聞紙をもとに和太鼓を制作する動画を見つけました。


 円形の芯(動画では植木鉢)に小さく切った新聞紙をのりづけして厚みと強度を確保していく、いわゆる「張り子」「ハリボテ」と呼ばれる製法の応用のようです。
 新聞紙も木工用ボンドも家にあるので、安価かつ軽量なことが気に入り、この作り方を真似ることにしました。

「胴の中身」ミニチュアはどう作ったか

 ものづくりの頼れる友、ホームセンターでよさそうな円、芯を探します。
 ちょうど求めていた直径の配管用塩ビ管が750円くらいだったので買いました。
 奥行きはすこし長いので、定規で測ってマスキングテープで印をつけ、いざ新聞紙を貼り付けます。あとで芯を取り外すので、最初の1~2周は水貼りで、あとは水で溶いた木工用ボンド(以下、ボンド水)で貼っていきます。

 水貼り+新聞紙約1日分を貼り終えたあと、芯を取り外した状態。
 動画で使っていた植木鉢と異なり、円柱型の芯を使ったせいか、すんなりとは外れてくれません。結局、薄いカッターナイフの刃を新聞の層と芯の隙間に刺しては抜きを繰り返して30分くらいかけて外しました。
 胴の中身とはいえまだ厚みが頼りないので、ここからさらに新聞紙1日と半分くらいを追加で貼っていきました。なお、ボンド水はぼたぼた垂れるので、なるべく屋外で作業するのがおすすめです。
 新聞紙を貼り終えたら、動画を真似て円の端っこにボンドを塗って圧力をかけていきます。3月のあたたかい時期だったので、ボンドは日なたで3時間もすれば乾いていました。  この作業をぐるりと一周、済んだらひっくり返してもう片方の円に同じことを繰り返します。
 これが終わったら胴の中身は完成です。

おわりに

次回「その2」では、ハリボテの胴に強度をもたせるために、周りにパテを塗っていきます。


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